洋服同様、着物にも羽織ものと呼ばれるアウターがあります。
けれども、種類がいくつもあるので、どれを選べばいいのか迷ってしまうことも多いはず。
今回は、そんな羽織ものの基礎知識をご紹介します!
羽織もののメリット

防寒対策
羽織ものの主な目的はやはり防寒。
カーディガン感覚で使える羽織から、しっかり寒さを防げるコートまであるので、気温に合わせて和装コーディネートを楽しめます。
着崩れや汚れ防止
和服で人混みに入ってしまうと、帯などが引っかかって崩れてしまうなんてことも。
そんなとき羽織ものがあれば、着崩れを防ぐことも可能です。
また、塵や埃などの汚れから着物を守る役割も備えています。
帯結びを隠せる
「今日は帯結びを失敗しちゃったかも…」
そんな着付けに不安を感じる時も、一枚羽織れば帯や着物を隠すことができるので、一安心です。
コーディネートを楽しめる
着物とのコーディネートを楽しめるのも、羽織ものの醍醐味。
着物の色柄のバランスはもちろん、TPOも踏まえながらその場にふさわしいオシャレを楽しめるのも魅力です。
羽織ものの種類
羽織(はおり)

羽織は、主にカジュアルシーンで活躍するアウター。
前が開いた状態になっているので、羽織紐で留めて着用します。
洋服でいうカーディガンのような役割なので、室内でも基本的に脱がなくてOK。
元々は防寒着ですが、より華やかな着姿になるため、オシャレとして楽しむ人も多いのが特長です。

和装コート
ジャケット感覚で着るような和装用コートは、衿の形が特長。
千代田衿、へちま衿、都衿、被布衿 などさまざまな種類があり、衿によって格も変わってきます。
中でも定番なのが、次に紹介する道行と道中着です。
道行(みちゆき)

前をボタンで留めるスタイルで、和装の羽織ものの定番。
色柄によってフォーマルからカジュアルシーンまで幅広く活躍します。
四角い「道行衿」と呼ばれる衿が特長で、羽織や道行よりもフォーマルな印象に。
道中着(どうちゅうぎ)

衿あわせが着物と同じ形になっている羽織もの。
前に紐がついているので、それを結んで留めます。
カジュアル着としてはもちろん、 無地やぼかし・上品な小紋柄などであれば、少しあらたまった場所に着ていくことも可能です。
夏用コート

主に初夏から盛夏の季節で活躍する羽織もの。
レースや紗など透け感のある素材でできており、主に淡い色合いが多くなる夏の着物が汚れるのを防ぐ目的で着用されます。
主に羽織、道行、道中着タイプがあります。
防寒用コート

主にウールやベルベット素材などで作られた、真冬用コート。
和装用のコートは、衣紋を抜いて着る着物でも着やすいように、衿元がゆったりとした作りになっているのが特長。
また、帯のふくらみなどを考慮して、身幅が大きめに作られています。身幅や袂に余裕があるものであれば、洋服用のコートを合わせてもOKです。
また、ポンチョやケープタイプのものもあり、これらはコートよりカジュアルでかわいらしい印象になります。
雨コート

その名の通り、雨で着物や帯が濡れるのを防ぐ雨の日用のコート。
着丈を調整できる二部式のものと、裾まで一枚ですっぽり隠れる一部式があり、一部式の場合は自分の着丈に合うように誂えてもらうのが一般的です。

ストール

アウターとは少し違いますが、サラッと羽織れるストールも着物にはおすすめ。
必ずしも和装用である必要はなく、洋装用のものをあわせてもOKです。
巻き方によってさまざまなオシャレを楽しめるのがいいところ♪
洋服用のアウターをあわせてもOK

カジュアルな装いに合わせるなら、洋服用のアウターを合わせる方法も。
ポンチョやドルマンタイプなど、衿廻りや袖部分に余裕のある作りになっているものがおすすめです。
羽織ものの素材
羽織、道行、道中着、夏用コートは、絹やポリエステルのものが多く見られます。
また、着れなくなった着物を羽織ものに仕立て直すという場合も。
雨コートは、防水加工は施されていますが、素材自体は絹や化繊など様々です。
アウターは室内では脱いだ方がいい?
基本的に羽織以外のアウターについては、室内で脱ぐのがマナーです。
羽織も、茶室に限っては脱ぐものとされています。
まとめ
着物用のアウターは、防寒目的はもちろん、よりコーディネートをオシャレに見せたり、着崩れを防止したりするなど、メリットがたくさん!
ぜひ着物コーデにアウターを取り入れて、ファッションとしての和装をより楽しんでみてはいかがでしょうか?