正絹と化繊の着物の違いとは?それぞれのメリット&デメリットを解説!

和装の基礎知識

振袖や訪問着・小紋など、着物の生地でよくみられる正絹と化繊

一見すると大差のないように思えるかもしれませんが、それぞれにメリット・デメリットがあるんです。

正絹と化繊 の特長を知って、用途に応じて上手に使い分けてみましょう!

※本ページにはプロモーションが含まれています

着物の生地の種類

着物の生地には、主に以下のような種類があります。

・正絹(しょうけん)
・化繊(ポリエステルなど)
・木綿
・ウール
・麻

正絹は、婚礼衣装や留袖・振袖・訪問着・小紋・紬など、幅広く使われている着物の定番素材。

ポリエステルをはじめとした化繊素材も、主に振袖や訪問着、小紋といった“やわらかもの”の着物の素材として使われており、最近では浴衣にもよく見られます。

木綿やウール素材のものは、そのまま“木綿の着物”や“ウールの着物”と呼ばれ、基本的に単衣仕立てですが、夏季以外であれば通年着用可能。木綿は浴衣の生地としてもよく使われています。

そして、は主に夏着物や浴衣によくみられる素材です。

それぞれの生地の具体的な特徴は↓↓の記事でも紹介しています!

正絹のメリット

(1)着心地がいい
絹100%の正絹は、とろみのある柔らかな質感が特長。肌あたりがよく、上質な着心地を体感できるのが魅力です。

(2)着崩れしにくい
絹は体の線にフィットしやすいため、着崩れしにくい点もメリット。シルエットも美しいうえ、優美な光沢や高級感のある風合いも楽しむことができます。

(3)保湿性・吸湿性にすぐれている
絹は、木綿と比べて1.5倍もの保湿性・吸湿性があるのだそう。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。

(4)裾さばきがいい
絹は歩くときに着物が足にまとわりつかず、なめらかに裾をさばくことができます。また、静電気も起きにくいため冬場でも安心して着用できます。

正絹のデメリット

(1)価格が高い
化繊などに比べると作られるまでに手間暇がかかっており、またデリケートな素材でもあるため、比較的値段は高くなりがち。また、基本的にプレタではなくお誂えで購入することになるため、反物代と仕立て代の両方がかかることになります。

(2)お手入れの手間がかかる
絹はとても繊細な素材。水や摩擦・日光などに弱く、シミや黄変などができやすいため、保管やお手入れには細心の注意が必要です。
また、カビや変色などを防ぐため定期的に虫干しをすることも欠かせません。

着物のお手入れの方法とは?>>

化繊のメリット

(1)価格が手ごろ
化繊の着物は、絹と比べるとかなりリーズナブルに手に入れることが可能。安いものであれば3,000円程度から、高いものでも2~3万円で購入できるものが多くあります。また、プレタで売られているのも多いので、買ってすぐ着ることができる点も◎。

(2)洗濯機で洗える
水に強いので、汚れたり汗をかいたりしたときは自宅の洗濯機で手軽に洗えるというメリットも。雨に濡れてもシミや汚れが残りにくいので、雨の日用の着物としてもおすすめです。

(3)洋服感覚で収納できる
化繊は、シワになりにくく、また湿気にも強いという特長もあります。そのため、着物特有のお手入れの方法に詳しくなくても洋服感覚で保管できるので、初心者さんにもおすすめです。

化繊のデメリット

(1)静電気が起こりやすい
モノにもよりますが、化繊は絹に比べて摩擦による静電気が発生しやすい傾向があります。どうしても気になる場合は静電気防止用のスプレーなどを使うのもおすすめです。

(2)安っぽく見える場合がある
一口に化繊といっても、ピンからキリまであるので、モノによっては安っぽく見えることも。また、大量生産型のものが多いので、中には実際に着てみると柄の出方がおかしいものなども稀に見られます。

(3)通気性が悪く着心地がよくない
化繊は通気性が悪く、また化繊特有のゴワつき感があるため、絹の着心地に比べると若干劣る傾向があります。けれども、最近は東レの「シルック®きもの」など、通気性に富み、絹のように柔らかで上質な肌触りの化繊も多く登場しています。

*******

「絹は質がよくて化繊は質が悪い」という声もちらほら聞こえますが、それぞれにメリットとデメリットがあるため、上手に使い分けることも着物の楽しみ方のひとつ。

ぜひ素材にかかわらず自分に合った1枚を見つけて、着物ライフを楽しんでみてください♪

PAGE TOP