ブラウスやハイネックはアリ!?着物の和洋ミックスコーディネートのコツ7選

KIMONO HACK

「着物はルールは厳しい」
「間違った着方をしちゃいけない」
「きちんと着付けなきゃいけない」

そういった先入観がありませんか?
確かに、着物にはTPOに沿ったルールやマナーがあります。でも、それは洋服も同じ。着物もTPOさえ守っていれば、カジュアルシーンではルールにとらわれず色んなアレンジを楽しむのは全然アリ!
そこで今回は、和洋折衷コーディネート例を7つご紹介します!

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羽織を洋服のアウターに

銘仙の羽織

着付けができない方でも気軽に楽しめるのが、洋服の上から羽織をアウターとして着る方法です。

洋服でいうカーディガンのような役割を持つ羽織。様々な色柄がありますが、個人的におすすめなのは黒羽織。シンプルなので洋服にもなじみやすく、コーディネートしやすいと思います。

羽織 和洋ミックス 和洋折衷

羽織は、お誂え、既製品、リサイクルのいずれかで購入できます。

帽子をかぶってこなれ感UP

帽子を被る和洋ミックスコーデは、明治時代にはすでに行われており、特に男性の間で流行していました定番の方法。

帽子は紬や木綿、ウールなど、カジュアル感の強い着物と相性抜群。夏であればカンカン帽やストローハット、冬はスエードのハットやベレー帽などを合わせてみるとよいでしょう。

銘仙 
名古屋帯 ベレー帽

ブラウスやハイネックを合わせる

着物の下は襦袢がスタンダードですが、カジュアルシーンであれば襦袢の代わりにブラウスやハイネック、パーカーなどを合わせるのもオシャレ。寒い時期は防寒にもなります。

和装時の効果的な防寒方法とは?>>

↑の写真は、インナーだけでなくアウターも洋服用のもの。
袖や襟周りに余裕があるものを選べば、わざわざ和装用のものを購入しなくても、洋装用のアウターで着回しできます。

パーカー 着物

トップスに洋服を合わせる場合、ボトムスは裾除けでOK。
よりラフに着付けたいときは、ペチコートやステテコもおすすめです。

また、着物の下にワンピースを合わせる方法も。長襦袢も裾除けも不要なので、着付けをさらに簡略化できます。時間がないときや、おうち着物などラフに着たいときにも打ってつけ。

ニットワンピ✕着物コーデについてさらに詳しく見る>>

帯がなくてもOK!ボトムスにスカートをON

紬 カジュアル着物 スカート 和洋折衷

着物の上にスカートを履いた袴風アレンジ。帯を巻かなくてもいいし、着丈の短い着物も気にせずに着れるというメリットがあります。ふんわりとしたプリーツスカートやフレアスカートに、太めのベルトなどでウエストマークを取り入れれば、シルエットにメリハリが出せます。

普段のスカートのような感覚で履けるので、雨の日のお出かけや、着物で自転車に乗りたいときなどにもおすすめです。

着物×スカートのアレンジについてさらに詳しく見る>>

帯締めの代わりにベルトやリボンを

木綿 デニム 着物

半幅帯や兵児帯のように本来帯締めナシでも結べる帯の場合は、帯締めの代わりにベルトやリボン、チェーンなどを合わせても◎。

帯締めよりもデザインのバリエーションが豊富なので、帯周りをより個性的に演出できます。

ネックレスをプラスして華やかに

photo by: chie sanai

より華やかさを出したいときは、アクセサリーの出番。ネックレス、チョーカー、ブレスレットなどコーディネートに合わせてプラスしてみましょう。

足元はブーツやヒールでもOK

ブーツやヒール、スニーカーなどの洋装の靴を合わせると、まるで着物をワンピース感覚で楽しんでいるような印象に。

靴を履くときは足元がスッキリと見えるように、着物は短めに着付けるのがポイント。着丈が短めのリサイクルやアンティークの着物を着たいときにもおすすめです。

photo by YUKI NISHIMOTO
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和洋ミックスコーデは明治時代からあった!?

今回ご紹介したような和洋折衷な着こなしは、最近見られるようになったものではなく、明治時代~昭和初期までは日常的に行われていました。

その大きな理由のひとつが、明治時代以降の急速な洋装化です。
ペリー来航をきっかけに開国した日本は、西欧の先進国と肩を並べるべく、西洋化を推進。衣服の洋装化もそのうちのひとつで、1872(明治5)年には、政府役人の礼服が洋服と義務付けられました。

とはいえ、今まで長きにわたって日本人は着物(和服)を着用してきたわけで、急に洋服を着ろと言われても着方がわからない…。しかも、明治時代初期の洋服はもっぱら輸入品で、非常に高価なものでした。そのため、引き続き着物が主流でしたが、やはり西洋のものに対する憧れもあるのが本音。

そんなときに人々が取った手段が和洋折衷な着こなしでした。着物に帽子やステッキ、洋傘、ショール、ブーツ、懐中時計など小物をプラスオンしたり、着物の下にシャツを合わせたりすることで、“洋風”というトレンドを取り入れていたようです。

『歴史写真 第10月號』(国立国会図書館デジタルコレクション)

特に、帽子については、男性が外出するときの必須アイテムでした。もともとは、丁髷を落としたザンギリ頭に抵抗のあった男性たちが被っていたようですが、次第に身だしなみのひとつとして定着したようです。その後、大正~昭和初期になってようやく日常着としての洋服が全国的に広まっていきました。

高畠華宵「落葉の帰り路」『少女倶楽部』2巻11号

慣れない洋装の入門編として行われていた和洋ミックスコーデ。ということは、逆に和服になじみのない方の入門編としても、格好の手段と考えることができます。


カジュアル着物はあくまで普段着。

必要以上にルールに縛られることなく、個性を表現する方法のひとつとしてぜひ和洋ミックスコーデを楽しんでみてください!

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