アンティーク着物とリサイクル着物の違いとは?

KIMONO LIFE

アンティーク着物とリサイクル着物って何が違うかご存じですか?
何となくアンティークの方が古そうなイメージ?だけどいざ聞かれると上手く答えられない…。

そこで、改めてアンティーク着物とリサイクル着物の違いや見分け方について調べてみました。サイズがあわない着物の着付け方や、アンティーク&リサイクルの着物が買えるおすすめのショップもご紹介するので、ぜひチェックを!

※本ページにはプロモーションが含まれています

アンティーク着物とリサイクル着物の違いとは

アンティーク着物とリサイクル着物の明確な定義はありませんが、一般的にアンティーク着物は戦前、リサイクルは戦後のもので区別されることが多いようです。

アンティーク着物とは、諸説ありますが、おおかた江戸末期から戦前の昭和初期の時代に仕立てられた着物(和服)を指します。

花京都きもの学院 HP

昭和初期以前の戦前に仕立てられた着物をアンティーク着物と呼ぶように、昭和中期以降の戦後に仕立てられた着物のことを「リサイクル着物」と呼び区別をします。こちらはアンティーク着物とは違い、色使いや柄などが現代着物と同じように作られています。

花京都きもの学院 HP

アンティークもリサイクルもいわゆる“中古の着物”になりますが、アンティークは約100年も前のもので希少性が高く、歴史的価値があるものも見られるため、着物好きはもちろんコレクターや研究家が収集目的で購入することもあるようです。

アンティーク着物とリサイクル着物の見分け方

アンティークとリサイクルの着物は、ぱっと見あまり違いはないように感じますが、実はいくつか異なる特長を持っています。主に次の5つのポイントで見分けることができるので、ぜひ着物を購入する際の参考にしてみてください!

色柄の違い

左:アンティーク着物(銘仙)  / 右:リサイクル着物(紬)

アンティーク着物は、着物が普段着として着用されていた時代のものということもあり、色柄が豊富。今ではあまり見られないユニークなデザインのものが多い印象があります。

一方のリサイクル着物は、ベーシックな色柄のものが多め。戦後の洋装化に伴い、着物はフォーマルシーンで着用される”衣装”の色が強くなったため、デザインがある程度均一化される傾向になっていったと思われます。

着丈や裄の長さ

アンティーク着物(銘仙)

昔は小柄な女性が多かったこともあり、特にアンティークに関しては着丈や裄丈が短い着物がほとんど。帯も同様で短いものが多いため、上手く柄が出せなかったり、キレイなお太鼓を作りにくいことがあります。

一方で、リサイクルの方が時代が新しい分、比較的着丈や裄が十分にあるものが多く見られます。

袖のつけ位置の違い

着物、袖付け、つけ止まり、アンティーク着物

戦前は帯を今よりも高い位置で締めていたため、アンティーク着物はそれに合わせて袖つけの位置が高めに仕立てられているものが多々見られます。そのため、現代の襦袢を合わせると、どうしても振りから襦袢が出てきてしまうことも。そんな時は袖の下の方を縫って応急処置をすれば、襦袢のはみだしを防ぐことができます。

(1)一目縫って……着物の振りから長じゅばんがはみ出す場合は、着物の振りの下のほうをひと目縫えば防げます。着物を着たあとでもできるテクニック。

President『七緒』

共衿の長さ

共衿、着物、アンティーク着物

共衿とは掛け衿とも呼ばれるもので、着物と同じ布(共布)を地衿の上に掛けて着物の衿汚れを防ぐ役割を持っています。長さは、現代のものはだいたい1尺3寸(約49cm)ですが、アンティークだと1尺(約38cm)くらいのものが多いようです。理由としては、当時小柄な方が多かったことや帯結びの位置が今より高かったことなどが考えられています。

裏地の色や素材

裏地、着物、紅絹、アンティーク

アンティークの着物は、紅絹(もみ)と呼ばれる赤い裏地や薄桃色の裏地が主流。紅絹には魔除けや冷え対策の効果があるとされ、戦前までは女性の下着などによく使われていました。

しかし、戦後になると洋装化が広まり、着物が礼装メインにシフトしていくにつれて、淡い着物の色に響かず、色移りの心配もない白い裏地が使われるようになり、紅絹の裏地は衰退。ちなみに、現在礼装を中心によく見られる八掛のぼかしも、戦後にできたものだそうです。

また、現在の裏地の素材は主に正絹やポリエステルですが、アンティーク着物は木綿のものも見られます。

アンティーク&リサイクルの共通のメリットとは?

着物、アンティーク着物、収納、種類、帯

モダンクラシカルなスタイルが楽しめるアンティーク着物と、現代的でユースフルなデザインが豊富なリサイクル着物。テイストの異なる二者ですが、両方に共通するのはどちらも手ごろな値段で手に入るということ!安いものであれば数百円、数千円のものもあるので、色々な着物に気軽に挑戦することができます。

また、一点ものも多いため、ほかではあまり見られない珍しい色柄のものをゲットできる点もメリットです。

リサイクル&アンティーク着物の選び方

アンティークやリサイクルの着物を選ぶときのポイントは主に次の2つです。

  • サイズ
  • 汚れや破れ

それぞれ詳しく解説していきます。

着物のサイズを確認する

アンティークやリサイクルの着物は、自分サイズに仕立てられたものではありません。特に平均身長の違いから、古い着物になるほどサイズの小さいものが多くなる傾向があります。

サイズがあわないと不格好に見えてしまったり、着付けしにくかったりすることがあるため、着丈や裄、身幅などの確認はマスト。特にフォーマルの場で着用するものは、あまりにサイズがあっていないと悪目立ちしやすいため、試着した上で違和感なく着用できる範囲のものを選んだ方がよいでしょう。

汚れや破れの有無を確認する

アンティークもリサイクルも“中古品”であるため、汚れや破れなどの難があるものが多め。購入する際はどこにどんなダメージがあるのかを確認し、自分の許容範囲内の状態のものを選ぶとよいでしょう。

また、古いものほど生地が弱っているものが多く、着付けの際などに少し引っ張るだけで破れてしまいそうな着物もあるので注意が必要です。

サイズがあわない着物の着付け方

着物 コーディネート

サイズが大きい着物は自分サイズに仕立て直すことができますが、小さい着物は大きくすることが難しいことがほとんど。けれど、小さい着物でも着付けをちょっと工夫すれば、サイズ問題をクリアできることがあります。

例えば裄が短い場合、肩山をずらすことで裄の長さを長めにとることが可能。また、着丈が短いものは、あえて短めに着付けてブーツをあわせたり、裾にプリーツやフリルをあしらった裾除けを使ったりしてアレンジできます。

下の記事で着付けやアレンジのポイントを詳しく解説しているので、ぜひこちらもチェックしてみてください!

短い着物のアレンジ方法をさらに詳しくチェック>>

【カジュアル着物向け】袖(裄)&着丈が短い着物の上手着こなし方とは?
リサイクルで買ったものや貰い物の着物の中には、袖(裄)や身丈が短くていつもの着付けだとキレイに着れないことってありませんか?今回はそんな短めの着物をうまく着こなす方法をご紹介します!※本ページにはプロモーションが含まれていますアンティークや...

アンティーク着物&リサイクル着物の購入におすすめのショップ5選

最後に、アンティーク着物やリサイクル着物を購入したいときにおすすめのショップをご紹介します。

キモノ葉月

東京の代田橋と大塚に店舗を展開するアンティーク&リサイクル着物ショップ。カジュアル向けのものが多く、現在では珍しいデザイン着物や帯、小物類などを豊富に取り扱っています。

キモノ葉月 大塚店のインスタはこちら>>
キモノ葉月 代田橋店のインスタはこちら>>

雅星本店

岡山に店舗を構える「雅星本店」。メインはオンラインショップでの販売になりますが、全国各地でポップアップショップも出店しています。振袖や訪問着といった礼装から、小紋、紬、浴衣などの普段着まで、幅広く取り扱っています。

雅星本店公式サイトはこちら>>

シンエイ

毎週500点以上ものアイテムが追加されており、豊富なラインナップからアンティーク&リサイクル着物を選ぶことができるオンラインショップ「シンエイ」。限定セールも定期的に開催されており、お得なタイミングを狙えばお気に入りの着物が数百円で手に入ることも!大阪と沖縄には実店舗もあります。

Kimono-Shinei 2号店>>

リサイクル着物 福服

新宿・浅草の実店舗とオンラインショップでリサイクル着物を購入できる「福服」。女性着物のほか、他店では取り扱っていないことが多い男物や子供の着物も購入することができます。

リサイクルきもの福服 ふくふく>>

お江戸きもの大市

ショップではありませんが、東京・日本橋や横浜などで定期的に開催されている着物市。全国からショップが集まり、アンティーク着物、リユース着物、帯、古布、和装小物、メンズ着物など多彩なアイテムが出そろいます。一般的な店舗よりもオープンな雰囲気で気軽に立ち寄れるので、着物デビューしたい方や初心者の方にもおすすめ。

お江戸きもの大市公式サイトはこちら>>


アンティーク&サイクルの着物なら、有名産地の着物や今では見られない色柄の着物も、リーズナブルな価格で手に入れることができることが可能。

一方で、仕立て済みなのでサイズが合わなかったり、シミや破損があったりすることも。特に戦前のものであるアンティークは、今から約100年も前の着物になるため、当然極端に小さいものやダメージが大きいものも多くあります。

ダメージの具合や購入後の扱いには注意が必要ですが、高額で手に入りにくいという着物のハードルを下げてくれるというメリットもあるアンティークやリサイクルの着物。興味はあるけどまだチェックしたことがないという方は、この機会にぜひトライしてみてはいかがでしょうか?

PAGE TOP