洋服にも使われる木綿素材の着物は、街にもなじみやすく、ラフに着ることができる普段着のひとつ。ちょっとしたお出かけにはもちろん、おうち着物としても着用しやすいので、1つ持っておくと便利な着物です。
今回は、そんな木綿の着物の着用時期や格、合わせる帯などについてまとめました♪
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木綿の着物の種類
温かみのあるナチュラルな素材感が魅力の木綿の着物。
木綿は、もともと室町時代に日本に伝わり、江戸時代に本格的に生産がスタート。各地域の風土に適した色柄や織り方で発展し、庶民の衣服として普及しました。
代表的なものに、会津木綿(福島)、片貝木綿(新潟)、遠州木綿(静岡)、伊勢木綿(三重)、備後絣(広島)、久留米絣(福岡)などがあります。
また、最近では洋服生地で作られた木綿の着物も増加。チェック柄やドット柄といったモダンな色柄のものや、デニム素材のものなどがあり、ワンピース感覚で着ることができます。
木綿の着物の格
参考:『着物イロハ事典』 / 成美堂出版
木綿の着物は普段着。友達との食事やショッピング、美術館めぐりなど、カジュアルなお出かけで着ることができます。また、お手入れもしやすいのでおうち着物にもおすすめです。
着物でテレワーク!?着付けのポイントとは?>>
一方で、結婚式やフォーマルなパーティ、ホテルや料亭での会食など、かしこまったシーンでは基本的にNGです。
木綿の着物のメリット
着付けしやすい
着付けに慣れていない場合、正絹の小紋や色無地のような“やわらかもの”や化繊の着物だとズルズルとすべってしまい、上手く着付けられないことがあります。
その点、木綿の着物はすべりにくいので初心者さんでも比較的着付けがしやすく、また着崩れしにくいというメリットがあります。
3シーズン着れる
基本的に木綿の着物は裏地がついていない単衣仕立て。正絹や化繊の着物の単衣は春・秋がオンシーズンですが、木綿の場合、生地の厚さや色柄によっては真夏以外の3シーズン着ることができます。
お手入れが簡単
木綿の着物は、ネットに入れて自宅の洗濯機で洗うことができます。生地が傷まないよう、おしゃれ着用洗剤&ドライコースでの洗濯がおすすめ。デニムなど色落ちしやすいものは、単体で洗うようにしましょう。
洗った後はそのままにせず、しっかりシワを伸ばして陰干しします。どうしてもシワが気になるときは、当て布をして軽くアイロンをかけてもOKです。
あわせる襦袢
襦袢は、礼装の場合とは違って必ずしも白を選ぶ必要はありません。着物の雰囲気にあわせて、色柄が入った華やかな襦袢も合わせられます。
また、襦袢には長襦袢、二部式襦袢、筒袖の半襦袢といったタイプがありますが、木綿の着物はカジュアル着なので厳密な決まりはなく、好みで選んでOKです。
長襦袢、二部式襦袢、筒袖の半襦袢の違いって?>>
さらに個性的な着こなしを楽しみたいなら、和洋ミックスコーデもおすすめ。木綿は洋服の素材ともなじみやすいので、襦袢を使わずにインナーにブラウスやパーカーなどをあわせると、オシャレにカジュアルダウンできます。
木綿の着物にあわせる帯
帯は、洒落袋帯や名古屋帯、半幅帯といったカジュアル帯を合わせます。
ただし、洒落袋帯や名古屋帯の中でも、金糸銀糸が使われた重厚感のあるフォーマル向けのデザインのものは、格が異なり、木綿のナチュラルな風合いともマッチしないので避けたほうがよいでしょう。
浴衣との違いとは?
木綿素材の和服といえば、浴衣を思い浮かべる方も少なくないはず。木綿の着物と浴衣の違いとは何なのでしょうか?
色々調べてみましたが、仕立てや素材に何か決定的な違いがあるというわけではないようです。浴衣の方が生地が薄手で、夏っぽい風合いや柄行のものが多い、あとは着付けの仕方が異なる(襦袢着るかどうかなど)というところが違いかと思われます。
ただし、成り立ちには根本的な違いがあり、浴衣は“衣服”としてではなく、入浴時や湯上りに着ていた“湯帷子(ゆかたびら)”と呼ばれるバスローブのようなものが起源となっています。
お手入れが簡単で普段着としてラフに着れる木綿の着物。正絹に比べると値段も手ごろなので、気負わず楽しめる点も魅力です。ぜひ木綿の着物で、カジュアルな和の装いを楽しんでみてください♪