みなさん、襦袢(じゅばん)ってご存知ですか?
普段和装にあまりなじみのない場合、傍からは見えない襦袢については、
「聞いたことはあるけどよくわからない」
「聞いたことがない」
という方も多いはず。
そこで今回は、外からは見えないけど実は重要な襦袢の種類や役割をまとめてみました♪
襦袢の役割とは?

- 襦袢とは、肌着と着物の間に着るもの。
- 礼装用には白地のものを、普段着なら色物や柄物でもOKです。
襦袢は、着物の裏の汚れの防止や裾さばきを良くするため、また保温するために着用されるアイテムです。
生地は綸子や縮緬、羽二重、ポリエステルなどで、夏は絽や紗、麻などを用いるのが一般的。
礼装は白の襦袢を
振袖を除く礼装の場合は、必ず白の襦袢を着用します。
振袖や、フォーマル&セミフォーマルシーンで着る訪問着・付け下げなどの場合は、白や淡い色調のものを。
そして、濃い色のものや柄がついたものはカジュアル感が強く出てしまうため、普段着用として使うようにしましょう。
ちなみに、フォーマル着物については『【フォーマル着物の種類】留袖や訪問着、付け下げの違いとは?』でも解説しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください♪
袖の色は着物と調和するものがGOOD
女性の襦袢は袖の振りからチラッと見えます。
そのため、襦袢を着る時は、着物との色合わせを考えるのもポイント。
色選びに迷った時は、比較的どの着物でも合わせやすい淡い色のものを選ぶといいでしょう。
長襦袢、半襦袢、二部式襦袢の違いって?

襦袢には長襦袢、半襦袢、二部式襦袢の3種類があります。
基本的に長襦袢はフォーマルからカジュアルまで着用可能、二部式襦袢と半衿つき半襦袢はカジュアルのみOKです。
ただし最近では、二部式襦袢でも真っ白のものであれば、フォーマルシーンで着用されることもあります。
長襦袢
お誂え、既製品、リサイクルいずれもアリ。
<特長>
・着姿がごわつかず、すっきり見える。
・誂える場合は、着物のサイズと合わせるようにするのがポイント。
・既製品やリサイクル品の場合、裄や着丈、袖丈などが合わないことも。
もっともポピュラーで正式な襦袢。
着物と同じような形をしていますが、おはしょりは作りません。
主な素材には正絹やポリエステルがあります。
二部式襦袢
お誂えではなく、既製品での販売がほとんど。
<特長>
・上下に分かれているので、身長に関係なく着ることができる。
・下半身の動きが上半身に響きにくい。
・既製品のため、着物の裄や袖丈とサイズが合わないことも。
やや簡易的な襦袢。
上下分かれていて、半衿つき半襦袢と、裾除けがセットになっています。
だいたい袖の部分と裾除けは同じ柄になっているのも特徴です。
素材は綿やポリエステルがほとんどなので、正絹の長襦袢に比べるとお手入れしやすく、値段も手ごろ。
半衿つき半襦袢
既製品がほとんど。
<特長>
・身長に関係なく着られる。
・筒袖なので、着物の袖丈が気にならない。
もっとも簡略化された襦袢。
肌襦袢に半衿が付いてるタイプのもので、袖はだいたいレースの筒袖になっています。
素材は綿100%のものが多く見られます。
夏着物に合わせる襦袢

夏用の長襦袢の主な素材
実は夏用の襦袢は、袷用の襦袢よりも素材の種類が豊富。
涼しさや肌触りなどが異なるので好みが分かれますが、一般的に通気性がよくお手入れもしやすい竹を選ぶ人が多いようです。
暑い夏は少しでも涼しく、快適に過ごしたいもの。
そのため、できれば実際に店舗などで実物に触れてみて、一番着心地の良いものを選ぶことをおすすめします。
素材 | 特徴 |
竹 | ・柔らかいタッチで涼しい ・抗菌性がありニオイやカビに強い ・自宅で洗濯可。 |
麻 | ・程よいハリがあって涼しい。 ・シワになりやすく、また洗濯すると毛羽立ったり縮んだりすることも。 |
絹 | ・絽や紗で仕立てられているのが一般的。 ・吸湿性、放湿性に優れ、肌触りも◎。 ・自宅での洗濯不可。シーズン後は黄変を防ぐためにも汗抜きに出すのがおすすめ。 |
ポリエステル | ・絽や紗で仕立てられているのが一般的。 ・放湿性に欠けるので蒸れやすい。 ・自宅で洗濯でき、シワにもなりにくいのでお手入れが楽。 |
長襦袢にも居敷当てをつけるのがおすすめ
夏は着物も透け感のある素材になるため、ヒップラインが気になることも。
そのため、着物はもちろん、長襦袢にも居敷当て(いしきあて)をつけておくのがおすすめです。
また、長襦袢の長さも着物と合っていないと目立ちやすいので、気をつけるようにしましょう。
>>居敷当てとは?

単衣の時に合わせる襦袢とは?

春や秋など、気温が穏やかな季節に着用する単衣。
単衣用の襦袢というものはなく、袷用かもしくは夏用の襦袢を着用します。
だいたい10月~5月頃は袷用、6月~9月頃夏用を合わせるのが一般的。
ただし、最近では5月や10月でも暑い日が多いので、体感値で使い分けてOKです。

衣紋抜き
既製品の襦袢であれば、ほとんどについている衣紋抜き。
衿の後ろの部分についている長方形の布のことで、衣紋をキレイに抜き、着崩れしにくくするための必需品です。
衣紋抜きが付いていない襦袢は、単品で売られているものを購入して縫い付けることができます。
長襦袢のたたみ方
最後に、襦袢のたたみ方をご紹介。
長襦袢は、着物と似たような形をしていますが、たたみ方が少し異なります。
東京きものさんの動画でやり方をチェックしてみましょう!
襦袢を上手く使い分けて着物上級者の仲間入り!
着物や帯も大事ですが、襦袢選びも着姿や着心地に影響する大事なポイント。
着物をより快適に楽しむためにも、ぜひ今回の記事も参考に自分に合った襦袢を見つけてみてくださいね!

