着物を楽しむうえで欠かせないのが帯。着物と同様帯にもさまざまな種類があり、着物の格やTPOによって上手く使い分けることがポイントです。
今回は、帯の種類をまとめてご紹介するので、改めてチェックしてみましょう!
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帯の格
一般的に袋帯はフォーマルな装いに、それ以外はカジュアルな装いにあわせます。色柄によって合わせられる着物も変わってくるので、着ていくシーンや会いに行く相手などによって上手く使い分けてみましょう。
帯の種類
ここからは、帯の種類とそれぞれの特長をご紹介します。
丸帯
丸帯は江戸中期に誕生したフォーマル帯の一種。最も格式が高く、戦前頃までは第一礼装の帯として用いられていました。
長さは4m前後で、袋帯が2枚の生地を重ねて縫い合わせることによって作られるのに対し、丸帯は広幅(68cm)に織られた綾織の生地を二つ折りにして仕立てられます。(片縫い袋仕立て)
そのため、表にも裏にも豪華な模様が施されているのが特長。袋帯2枚分くらいの重さがあり、芯を入れると約3kgになる場合もあるのだとか!
ずしりとした重厚感と豪華さがありますが、重くて結びづらいことから現在第一礼装に使われる帯はほとんどが袋帯。丸帯は主に婚礼衣装や舞妓さん・芸妓さんの装いなど、ごく一部でのみ使われています。
袋帯
フォーマル帯の定番・袋帯。黒留から振袖、訪問着まで、一般的な礼装すべてに着用される帯です。
表地と裏地に異なる2枚の生地を使用し、袋状に縫い合わせて仕立てられているのが特長。長さは約4m20cm~50cmほど。お太鼓にすると二重太鼓になり、「慶事が重なるように」との意味が込められています。
袋帯は基本的にフォーマル向けですが、金糸や銀糸の入っていない洒落袋帯と呼ばれるものは普段着向けのもの。江戸小紋や小紋など、上品な雰囲気のカジュアル着物にあわせるとよいでしょう。
名古屋帯
カジュアル向けの帯。小紋や紬、木綿の着物などにあわせます。長さは袋帯よりも短く約3.6mほどで、お太鼓結びにすると一重太鼓になるのが特長です。
織り・染めによって雰囲気がガラリと変わり、上品な印象のものからカジュアル感が強いものまでさまざま。カジュアルシーンで幅広く活躍してくれます。
綴織(つづれおり)など、一部の名古屋帯はセミフォーマルとして着用可能です。
京袋帯
京袋帯(きょうふくろおび)は、袋帯の一種。袋帯と同じ仕立てになっていますが、大きな特徴は長さが短いこと。袋帯よりも短く、だいたい名古屋帯と同じ3m60cm程度です。お太鼓結びにしたとき、一重太鼓にしかならないため、基本的にはカジュアル向けとして使われます。
ただし、金糸や銀糸が入った華やかなものであれば、色無地や江戸小紋などに合わせてセミフォーマルな場に締めていくことができます。
半幅帯・兵児帯
半幅帯は、カジュアル着物や浴衣に合わせる帯。長さはだいたい3.6m~4mほどで、袋帯や名古屋帯よりも、多彩な結び方を気軽に楽しめるという点が魅力です。
そして、半幅帯よりもさらにカジュアルな印象の帯になるのが兵児帯(へこおび)。こちらも長さは4m前後のものが多く、半幅帯同様結び方の自由度の高い帯です。もともとは男性や子供向けに使われていましたが、最近では大人の女性が使いやすいファッショナブルなデザインのものも多く登場しています。
帯の柄について
主に袋帯や名古屋帯については、「全通柄(ぜんつうがら)」「六通柄(ろくつうがら)」「お太鼓柄」の3種類の柄付け方法があります。
・全通柄
帯全体に柄が入っているので、どのように結んでもきちんと柄が出るのが特長。総柄・通し柄とも呼ばれています。
・六通柄
全体の6割に柄が入っているもの。帯を着けた後に隠れてしまう一周目部分が無地になっていて、二周目で柄が見えるように計算されて柄付けされています。
・お太鼓柄
締めた時に帯前とお太鼓部分にだけ柄が出るように作られているもの。名古屋帯に多く見られます。
六通柄やお太鼓柄は、体型や締め方によっては上手く柄が出ない場合があるため、初心者の方は柄の位置を気にせずに結ぶことができる全通柄がおすすめです。
一口に帯といってもその種類はさまざま。着ていくシーンや合わせる着物に応じて上手に使い分けながら、コーディネートを楽しんでくださいね。