9月の着物何を着る?30℃越えの暑い日は単衣と薄物どっち?

KIMONO HACK

一般的な着物の暦上、9月は単衣だけど気温的には真夏でまだまだ暑い…!そんな時期に着るとしたら、どんな着物を選べばいいのでしょうか?

今回は、残暑厳しい9月におすすめのカジュアル着物やコーディネートのポイントなどについてまとめてみました。

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9月に着る着物とは?

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一般的に、10月~翌5月が袷、6月・9月が単衣、7月・8月が薄物や浴衣という形で衣替えが行われます。ただし、近年は単衣の時期でも真夏並みの気温の日があることも少なくありません。試しに東京の2023年9月と2013年9月、そして2003年9月の気温を調べてみました。

9月 東京、気温、着物
参考:気象庁

9月上旬は30℃越えの日も多くありますが、下旬になると2013年以前は25℃前後に下がり、2003年は20℃を切る日もあったようですが、2023年は30℃越えの日も見られ、年々暑い日が長くなっていることが窺えます。

そもそも本来着物のルールが定められた理由は、“その着物がその時期の気候にふさわしいから”
ここからは私の個人的な意見になりますが、着物を“普段着”として楽しむなら、やはり心地よく着れるかどうかがポイントになると思っています。しかし一方で、装いを通して日本の四季を感じることができるのが着物の醍醐味なので、やはり色柄や素材感は考えたほうがベター。

ブレてはいけないポイントは大事にしつつ、現代のライフスタイルや気候にあった着こなしに変えていくことが大切だと思うので、無理に単衣を着るのではなく、気候に合った着物を着れば良いと考えています。

ただし、フォーマルな場など、立てる相手がいるシーンの場合は別。心地よく着られることが大きなポイントになる普段着とは違い、相手や場の雰囲気を考えた装いにすることが優先されるので、気温には配慮しつつもその場にふさわしいコーディネートを心がけたほうがよいでしょう。

30度超えの暑い9月におすすめの着物

では、具体的に9月の真夏日に着用する着物はどのようなものを選べばよいのでしょうか?

以下、おすすめの着物を4種類ピックアップしました。和装は季節を先取りしたコーディネートにするのがオシャレとされているので、いずれの着物の場合でも、帯や小物は秋を感じさせるような素材や色合いのものを選ぶとよいでしょう。

麻の着物

小千谷縮の着物

通気性に優れていることから、夏の素材として着物だけでなく洋服でも重宝されている麻。秋を思わせるシックな色味のものを選べば、涼しさと季節感の両方をカバーすることができます。

また、100%麻のものだけでなく、麻の涼しさと綿のやわらかな肌触りを両立した綿麻の着物もおすすめです。

木綿の着物

阿波しじら
阿波しじらの着物

阿波しじらや綿絽といった木綿の夏着物もおすすめ。
浴衣としても夏着物としても着れるハイブリッドなものもあるので、1枚持っておくと初夏から秋口までロングシーズン着用することができます。

阿波しじらとは?>>

ただし、同じ木綿の着物でもデニムや片貝木綿、遠州綿紬など秋・冬・春にオンシーズンを迎えるものは少々厚手になっているので、9月上旬ごろだとまだ暑いかもしれません。
3シーズン着れる木綿の着物とは?>>

浴衣

最近は9月に入ってもお祭りをやっている地域もあるので、そういった場所に着ていくなら浴衣でもOK。ただ、「浴衣だとカジュアルすぎる」「夏感が出すぎてしまう」と感じる場合は、着物風に着付けると着ていくシーンを広げることができます。


透け感のある淡い色や、紫陽花やヒマワリ柄など夏を感じさせる色柄は避けたほうが◎。9月下旬頃になると寒暖差が激しい日も出てくるので、日によっては羽織などのアウターをあわせて防寒対策をしておくとよいでしょう。

9月・10月でも浴衣はOK?>>

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浴衣を着物風に着ることで、着用シーンの幅が広がるとともにコーデの楽しみも増えます。着付けのポイントは3つ。「半衿をつける」「足袋を履く」そして「丈を長めに着付ける」です。半衿は長襦袢につけて使うものですが、暑い日は筒袖の襦袢にしたり、衿部分のみのうそつき半衿などを使ってカジュアルダウンさせるのもアリ。

絽の着物

9月上旬くらいまでであれば、夏着物の定番・絽の着物もおすすめ。紗の着物は透け感が強いので夏っぽさが出すぎてしまうかもしれませんが、絽、もしくは紗の生地の上に薄手の紗を重ねて仕立てた紗合わせの着物であれば、単衣感覚で着ることができます。

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9月の長襦袢は何を着る?

長襦袢は、基本的に着物にあわせて選びます。単衣の着物であれば単衣用のものを、夏着物であれば夏用を着用するようにしましょう。ただし、暑い日は単衣の着物に夏の長襦袢でもOK。特に普段着として着るのであればあまり細かく考えず、体感温度によって心地よく着れるものを選んで問題ありません。

個人的におすすめなのは、筒袖の半襦袢カジュアルシーン限定の襦袢になりますが、着物の仕立て問わずオールシーズン着れるため、単衣用の襦袢か夏着物用の襦袢か迷う時にも重宝します。

9月の着物にあわせる帯

半幅帯、リバーシブル、木綿の帯

帯は、夏着物であれば夏帯を、単衣であれば単衣や袷用の帯を合わせるのが基本。ただし、暑いからといってあまりに長く夏帯を締め続けてしまうと、寒そうに見えたり、季節外れに感じられたりするため、9月半ばくらいを目安に通常の帯に切り替えるとよいでしょう。一般的には重陽の節句(9月9日)を過ぎたあたりで切り替える人が多いようです。

カジュアルシーンで夏帯と通常の帯のどちらにしようか迷うときは、半幅帯や兵児帯を選ぶのもおすすめ。どちらも通年使えるものが多いため、季節感を気にせず締めることができます。

9月の着物の暑さ対策

秋とはいえ、まだまだ残暑が厳しい9月。少しでも快適に過ごすために取り入れたい暑さ対策をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!

メッシュの帯板を使う

帯板 メッシュ 夏 着物 着付け小物

夏用にメッシュ素材の帯板があります。通常のものより通気性にすぐれているため、帯周りの暑さ対策に効果的。ちなみに、私は暑がりなので、年中メッシュの帯板を愛用しています☺

そのほか、メッシュ素材の伊達締めや衿芯などもあるので、好みに応じて取り入れてみるとよいでしょう。

帯枕はヘチマや麻素材のものを使う

帯枕にも通気性のよい夏向けのものがあります。主にヘチマや麻で作られており、熱がこもりにくいので通常の帯枕よりいくらか暑さを軽減できます。

汗取り下着やインナーを着用する

吸水性にすぐれた汗取り下着やインナーを着用するのも方法のひとつ。中でも特に愛用者が多いのがあしべ織の下着。汗をしっかり吸い取ってくれるのはもちろん、程よく厚みがあるので補正の役目も果たしてくれます。

こまものや「七緒」であしべ織の下着をチェックする>>

補整をしない

着崩れを防ぎ、美しい着姿に仕上げるために欠かせない補整。一枚でも着るものを減らして涼しさを確保したい夏は、思い切って補整しないという方法もあります。代わりに先ほどご紹介したあしべ織の下着を使うのもよいでしょう。

ちなみに、私は普段着の場合は基本的に夏だろうが冬だろうが補整はしません。和装ブラは着用しますが、あくまで普段着としてラフに着ることをモットーにしているため、着物の下は襦袢とペチコートのみです。

扇子やハンディファンを持ち歩く

和装・洋装問わず、夏は扇子やハンディファンが大活躍!効率的にクールダウンしたいなら、着物や浴衣の身八つ口や袖口から風を当てて、脇辺りを冷やすのがおすすめです。

また、個人的には汗拭きシートも夏の外出時の必需品。ベタつく腕や首などを拭いた後に、ハンディファンや扇子で風を当てると、より清涼感を感じられます。

汗をかいた後の着物や浴衣のお手入れ方法

浴衣、お手入れ、着物ハンガー、洗濯、陰干し

汗でびっしょり濡れてしまった着物や浴衣。きちんとお手入れしておかないと、汗ジミになってしまう場合があるので、脱いだ後はしっかりメンテナンスしておきましょう!

正絹の着物のお手入れ方法

着物を脱いだ後は着物ハンガーにかけて半日ほど陰干しして、熱と湿気を飛ばします。クリーニングは、着るたびに出す必要はありませんが、汚れが気になるときやしばらく着用する予定がないときは、汗ジミや黄変を防ぐためにも必ず出すようにしましょう。

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京都 きもの京小町

麻・木綿・化繊の着物、浴衣のお手入れ方法

麻・木綿・化繊の着物や浴衣は、自宅で洗濯できるものがほとんど。生地が傷まないよう、洗濯ネットに入れてドライコースで洗います。洗剤もオシャレ着用のものがおすすめ。色移りを防ぐために、他の洗濯ものと一緒ではなく単体で洗ったほうがよいでしょう。

洗った後は正絹の着物と同じように着物ハンガーにかけて、風通しの良い場所で陰干しします。

ただし、繊細な装飾や絞りが施された高級な浴衣など、セルフで洗うと風合いが失われてしまうものも。また、麻や木綿などの自然素材は洗うと多少縮んでしまう可能性があります。

購入時にお手入れ方法はしっかり確認し、自分で洗うのが不安な場合は専門のクリーニング業者に依頼したほうがよいでしょう。


以上、9月におすすめの着物をご紹介しましたが、いかがでしたか?
季節と気温に応じた着物を上手に選んで、快適に&オシャレに9月の和装を楽しんでください♪

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