【6月の着物】暑い日は何を着る?気温別着物の選び方や暑さ対策方法も

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6月は一般的には単衣を着る季節。
けれども、最近は6月でも真夏並みの気温の日が増えており、何を着ればいいか迷ってしまうことも。そこで今回は、6月の着物の選び方について詳しくご紹介します!

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着物の一般的なカレンダーをおさらい

まずは一般的な着物カレンダーをおさらいしておきましょう!
着物の仕立てには主に袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、夏着物の3種類があり、夏着物は薄物とも呼ばれています。

6月は裏地のついていない単衣を着るのが良しとされてきましたが、このルールはそもそも“その時期に快適に着ることができる”という前提で作られたもの。

6月でも気温が30℃を超える日が増えている近年では、単衣では暑すぎる日も多々あります。
参考までに、以下が2023年6月の東京の最高気温をまとめたものです。

日本気象協会

22℃台の日もあれば、33℃を超える日もあります。
10℃以上の気温幅があるにもかかわらず、ルールにのっとって月を通して単衣を着なくてはならないというのはなかなか厳しいもの。

フォーマル・セミフォーマルシーンでは従来のルールに沿った方が無難ですが、カジュアルシーンにおいての着物は衣装ではなく衣服。洋服と同様、TPOを意識しつつも心地よく着ることができる着物を選んでOKです。

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【気温別】6月におすすめの着物とは?

気温差が激しい6月は、色柄は季節を踏まえつつ、仕立ては気温にあわせて選ぶ方が増えてきており、特にカジュアルシーンにおいてその傾向が強く見られます。

気温にあわせて着物を選ぶ際の具体的なルールはありませんが、迷う場合は以下の気温を目安にしてみてください。

20℃~24℃以下単衣
25℃~29℃単衣・透け感の少ない夏着物や浴衣
30℃以上透け感の少ない夏着物や浴衣

24℃以下であれば、カレンダー通りの単衣の着物で過ごしやすいでしょう。正絹の単衣はもちろん、カジュアルシーンであれば木綿の着物でもOK。木綿の着物は基本的に単衣仕立てのみですが、生地の厚みや色柄によっては盛夏以外の3シーズン着用可能。薄手のレース素材のものやしじら織りであれば、初夏の気候にもマッチします。

夏日を超えるくらいから、体感温度にあわせて夏着物を取り入れてみましょう。とはいえ、透け感の強いものだと寒々しく感じたり、季節違いに見えたりすることがあるので、透け感の少ないものを選んだ方が無難です。

また、浴衣を選ぶのもおすすめ。最近は気温に応じてフレキシブルに着回せるシーズンフリーな色柄のものも多く登場。襦袢と足袋を合わせれば、浴衣でありながら単衣や夏着物感覚で着用することができます。

例えば、セオアルファの浴衣であれば、着物として着ても違和感がない柄が多く、従来の浴衣より長い期間活躍。セオアルファとは東レが開発したポリエステル繊維のことで、綿100%を上回る吸水性を持っており、スポーツウェアなどにも使われているもの。汗をかいてもベタつきにくく、洋服と同じように洗濯機で洗えるので、お手入れしやすい点も魅力です。

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6月におすすめの帯

6月に締める帯は、着物にあわせて選んでみましょう。名古屋帯や兵児帯、半幅帯などの種類がありますが、少し肌寒い日は単衣の着物に袷用の帯、暑い日は単衣や夏着物に絽や紗、麻の帯などがおすすめ。

迷う場合は、博多帯など通年使えるものを1本持っておくと便利です。

6月におすすめの柄

よりこなれ感のある装いを楽しみたいなら、その時期にあった色柄を取り入れて季節感を演出してみましょう。

<6月におすすめの柄>

  • 紫陽花
  • 雨模様
  • カエル
  • 百合
  • 鉄線 など

季節柄だけでなく、季節問わず使える通年柄もおすすめ。格子や縞のような幾何学模様や更紗、無地の着物は、柄選びに迷ったときにぴったりです。

6月の着物にあわせる羽織

着物 羽織 浴衣

6月は寒暖差にも要注意。昼間は真夏並みに暑くても、朝晩はグンと冷える日も少なくないため、アウターで調整しましょう。

気温があまり高くない日は裏地がついていない単衣羽織、汗ばむような日は透け感のある紗やレースの夏羽織がおすすめ。防寒はもちろん、汚れや帯の崩れを防ぐ役割も果たしてくれます。羽織を持っていない方は、夏向けのストールやカーディガンなど、洋服兼用で使えるアイテムで代用してもOKです。

6月の着物にあわせる長襦袢とは?

長襦袢 半衿 

一般的に単衣の着物には袖にも身頃にも裏地がついていない単衣仕立ての長襦袢を、夏着物には絽や紗、麻など透け感のある夏用の長襦袢を着用します。

けれど、単衣だと暑いけど夏着物だと涼し気になりすぎる…という日は、単衣の下に夏用の長襦袢を着てもOK。フォーマルな場ではルール通りの方が無難ですが、カジュアルシーンであれば長襦袢を上手く使い分けて体温調節してみましょう。

よりラフに着付けたいときは、筒袖の半襦袢にペチコートやステテコをあわせる方法も。カジュアルシーンに限られますが、通年着用することができます。

6月の着物コーディネート例

6月のコーディネート例の一部をご紹介します!

まずは正絹の単衣に半幅帯をあわせたコーディネート。全体的に淡い色でまとめて夏らしさ演出。

銘仙の単衣。黒をベースにした重たい色味の着物ですが、全体を寒色系でまとめつつ麦わら帽子をプラスして夏らしい装いに。

しじら織の着物。カジュアル向けの木綿の着物で、透け感がないので単衣としても活躍!襦袢ナシで浴衣として着ることもできます。
しじら織についてもっと詳しく見る>>

木綿のレース着物に木綿の半幅帯をプラス。着物は透け感のない刺繍レースの着物は、盛夏以外の3シーズン着回せる優れもの。

セオアルファの浴衣の下に長襦袢を着て、単衣着物風に。浴衣感を抑えながらも、真夏並みの暑い季節にも耐えうる快適な着心地に。

着物の暑さ対策方法3選

6月は真夏並みの気温の日も増えてくる時期。暑い日を少しでも快適に過ごしたいという方は、ぜひ以下の方法を試してみてください!

通気性のよい着付け小物に変える

帯板 メッシュ 夏 着物 着付け小物

着物や帯、長襦袢だけでなく、着付け小物にも夏仕様のものがあり、暑がりの方は夏だけでなく年中使用しているという方もいらっしゃいます。

例えば、ヘチマや麻素材の帯枕、メッシュ素材の帯板や衿芯、麻やメッシュ素材の腰紐など、通気性のよいアイテムにチェンジして、少しでも涼しく過ごせるように工夫してみましょう!

吸湿速乾タイプのインナーを使う

肌襦袢や和装スリップといったインナーを、吸湿性・速乾性の高いものに変えてみるのもひとつの手。さらりとした肌感を保てるので、暑さを軽減することができます。色々な種類がありますが、定番肌着のひとつがあしべ織の肌着

あしべ織とは、胸と胴の部分に灯芯(燈芯)と呼ばれるイグサが織り込まれており、着心地がいいのはもちろん、しっかり汗取りもしてくれる優秀素材です。腰回りに厚みもあるので、補正代わりに使うこともできます。

あしべ織の商品をチェックする

扇子やハンディファンを使用する

洋装・和装問わず活躍してくれるのが、扇子やハンディファンといった涼を取るアイテム。どちらも携帯に便利なので、バッグに忍ばせておくとよいでしょう。

ちなみに、風を当てるなら脇の下や首筋がおすすめ。動脈が近いところに当てたほうが、効率的に冷やすことができます。特に脇部分は熱がこもりやすいので、身八つ口から風を当ててみてください。

汗をかいた日の着物のお手入れ方法

最後に、着物を着た後のお手入れのポイントをご紹介します。

脱いだあとすぐにしまわない

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着物は、脱いだ後すぐにしまうのはNG。そのまま収納すると、カビや黄ばみの原因になってしまいます。脱いだ着物を着物ハンガーにかけて半日程度陰干しし、湿気を飛ばしてからしまうようにしましょう。着物だけでなく、帯や着付け小物、和装小物、草履なども同様です。

ただし、着物は長時間干しっぱなしにすると型崩れの原因になるため、干しすぎには注意しましょう。

汚れが気になるときはクリーニングへ

着物を着た後、毎回洗う必要はありませんが、汗・汚れが気になるときやシーズンが終わってしばらく着なくなるときなどは、クリーニングに出すようにしましょう

その際、汗抜きも一緒にやっておくのがおすすめ。一般的な丸洗いや京洗いといったクリーニングでは皮脂やファンデーション汚れなど油性の汚れは落とせますが、汗などの水性汚れは落とすことができないためです。

一見汗ジミが気にならなくても、時間が経つと変色してきてしまうことがあるので、特に汚れが目立ちやすい淡い着物の場合はしっかりケアしておきましょう。

【おすすめの着物クリーニング店】
アライバ
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きもの京小町

6月も気温と季節に合わせて快適な和装ライフを!

従来の着物カレンダーのルールを踏まえつつも、気温にあわせた着物選びが令和流。
日本人が古来大切にしている季節感を色柄で取り入れながらも、着物の素材や仕立ては気温によってチェンジして、日々のワードローブの一つとして無理なく和装を楽しんでください!

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