コーデに差をつける着物の半衿。種類や縫いつけ方をチェック!

小物・羽織もの

着物に欠かせない和装アイテムのひとつが半衿

定番の白半衿をはじめ、色柄物やレースなど種類がたくさんありますが、どのように使い分ければいいのでしょうか?

今回は、そんな半衿についてまとめてみました!

※本ページにはプロモーションが含まれています

そもそも半衿とは?半衿の歴史と用途

半衿は、襦袢に縫い付けて使う衿のことで、もともとは日本髪の髪油や化粧などで着物を汚さないために使われるようになったもの。

結髪が発達し、衿を抜いて着る着付けが一般化した江戸時代以降に見られるようになりました。

江戸時代後期には、京都や大坂では「黒襦子の無地」あるいは「黒縮緬に白糸で細かい刺繍」、「文様染」の衿を、江戸では「紫の鹿の子絞り」、 「茶の絞り」などの衿を掛け、娘はもっぱら「緋の鹿の子や絞り」、あるいは「緋縮緬に金糸で網目や麻の葉を刺繍したもの」が用いられていたと『守貞漫稿』に記されています。

参考:荒川益次郎商店
竹久夢二
竹久夢二『女十題』(国立国会図書館デジタルコレクション)

明治時代以降、半衿への関心の高まりや日露戦争の勝利による盛り上がりもあり、デザインがさらに多様化。特に大正時代には半衿のオシャレ全盛期を迎えます。

豪華な刺繍や手描き友禅、総絞りなど多種多様な半衿が登場。当時のファッション界を牽引していた三菱呉服店が半衿小物売り場を設置するほど需要が拡大していたといいます。東京では華やかな大柄、大阪ではさっぱりとした控えめな柄が人気だったのだそう。また、進物としても重宝されたようです。

その後、関東大震災や第二次世界大戦を機に和服そのものの需要が低下。礼装としての着物が浸透するにつれて白い半衿が主流になり、現在に至ります。

半衿の種類

白半衿

もっともスタンダードなのが、柄が入っていないシンプルな白い半衿。

塩瀬というシンプルな生地の半衿であれば、カジュアルからフォーマルまで使えるので、1枚持っておくと便利です。

刺繍半衿

白地に刺繍のものはセミフォーマルからカジュアルまで使用可能。

金銀糸などでおめでたい柄が施されているものは、礼装用に使うこともできます。

また、色地に刺繍の場合はカジュアル向けになりますが、金銀箔などがあしらわれた華やかなものは、振袖用として使えます。

色柄半衿

色柄物は、全般的にカジュアル向け。

淡い色味であれば上品に、濃い色味であれば個性的な雰囲気に。

コーディネートにあわせて自由に組み合わせを楽しめます。

夏の半衿

暑い季節は透け感のある素材の半衿をつけて、顔周りを涼やかに見せます。

主な素材は絽や紗、レース、麻など。絽がもっともオーソドックスで、白であればフォーマルからカジュアルまで使うことができます。

絽の着物には絽の半衿、麻の着物には麻の半衿という風に、着物の素材に合わせて半衿を選ぶと、統一感のあるスマートな着こなしに。

半衿の素材

木綿の半衿

素材は元来絹が一般的ですが、最近はポリエステルや木綿のものもよく見られます。

木綿はカジュアル向きですが、白のポリエステルの場合は、フォーマルでも使われることが多いです。

普段使い用や、汗をかきやすい季節用には、洗濯できる素材のものを持っておくと便利。

お手入れの方法とは?

半衿は毎回洗う必要はありません。シーズンが終わって暫く着ない時や汚れが気になる時だけでOKです。

正絹のものはおしゃれ着用洗剤で手洗いすることもできますが、縮んでしまう場合があるので要注意。特に縮緬や刺繍、金銀箔が入ったものは、生地が傷んだり装飾が取れてしまったりする可能性があるので、心配であれば専門業者に相談するのもアリです

一方、ポリエステルや木綿であれば、ネットに入れて洗濯機で洗うことができます。ただし、特に木綿の場合はシワになりやすいので、脱水はかけずに手で絞るのがベター。

素材問わず、干すときは色褪せなどを防ぐために日陰干しで乾かしましょう。

半衿のつけ方

最後に半衿のつけ方をご紹介。

半衿を頻繁にチェンジする人は、何枚か襦袢を揃えておいて、それぞれにあらかじめ半衿を縫い付けた状態で保管しておくという人も。

また、半衿をつける時間がない!という時は、半衿用の両面テープ安全ピンを使うという方法もあります。

半衿用両面テープのメリット&デメリットとは?>>

TPOさえ気を付ければ、あとは自由!ぜひ半衿でオシャレして、着物のコーディネートの楽しみを広げてみてはいかがでしょうか?

【参考】
・成美堂出版『着物イロハ事典』
・文藝春秋企画出版部『あのときの流行と「美しいキモノ」』富澤輝実子
荒川益次郎商店

PAGE TOP