足袋を留めるための金具。正しい名称って知ってますか?
正解は「こはぜ(鞐・甲馳)」といいます。
このこはぜですが、実はものによって枚数が違うんです。では、枚数にはどのような意味やルールがあるのでしょうか?
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こはぜの歴史は意外と浅い
こはぜが付いた足袋の形式が主流になったのは、なんと明治期。
江戸時代半ばごろまでは革製の袋で足を包み、紐で縛る形式でしたが、明暦の大火以降に革の価格が高騰。
次第に素材が木綿へとシフトしていき、その過程でこはぜが付けられるようになったそうです。
実はこはぜの枚数に決まりはない!?
実は明確にこはぜの枚数に対してTPOが決められているわけではありません。
ただ、使われるシーンや地域によって好まれる枚数はあります。
こはぜが4枚の足袋
もっとも一般的に使われているのが4枚。
普段着や仕事で着用する人はほとんどがこちらを使用しています。
ちなみに、関東では着物の裾から少し肌が見えた方が粋だという考えから4枚が主流ですが、逆に関西は肌を見せない奥ゆかしさを良しとするため、5枚が好まれることも多いそうです。
こはぜが5枚の足袋
歌舞伎や日本舞踊で使われる足袋は、足元を安定させるため5~6枚のものが多いのだそう。
また、結婚式などの慶事では、「4」は縁起が悪いものとされるため、こはぜが5枚付いたものを使用するのが主流です。
7枚以上
さらに、農作業やお祭りなど激しい動きが伴う際に着用する足袋は、7枚~12枚ついていることも!
こはぜの枚数によって脚へのフィット感がかなり変わってくるので、用途に応じた使い分けが必要です。
こはぜがついていない足袋もある!?
最近では、履きやすさを重視して、ソックスタイプやファスナータイプなど、こはぜがついていないものも。
フォーマルなシーンでなければ、こはぜナシの足袋でラフに楽しむのもおすすめです。
枚数によって履き心地が大きく変わってくるこはぜ。
シーンや好みに応じて、自分にぴったりの足袋で快適に和装を楽しみましょう!