麻の葉や七宝など…着物や帯に使われる柄の種類一覧

和装の基礎知識

着物や帯に使われている伝統的な和柄。

その一つ一つには名前と意味があって、それを知ることで日本文化の新たな一面を知ることができるはず。

そこで今回は、数ある柄の中からよく使われるものを厳選してまとめてみました!

動物系文様

鶴・亀

長寿の象徴とされる鶴と亀は、ともに吉祥文様(おめでたい柄)のひとつ。
主に婚礼衣装や留袖など礼装によく見られます。

★その他の動物系文様★
鴛鴦・蝶・雀・千鳥 など

植物系文様

日本の代表的な柄・桜。春の花ですが、枝も描かれているような写実的な柄でなければ、通年で使ってもよいとされています。

松竹梅

冬の寒さに耐えて緑を保つ松、まっすぐに伸びる竹、そして他の花に先駆けて美しい花を咲かせる梅が3つそろった松竹梅柄は、とてもおめでたい組み合わせ。

単体でもそれぞれ吉祥文様としてよく着物や帯に描かれています。

露芝(つゆしば)

芝草に露があしらわれたデザイン。

涼し気な印象を与えるため、夏の着物や帯によく見られます。

★その他の植物系文様★
菊・牡丹・桐・橘・葵・唐草・吹き寄せ など

器物(きぶつ)文様

身の回りで使われていたさまざまなものも着物や帯の柄のモチーフに。

貴族が使うような王朝風の華やかなものは、主に礼装など格調高い着物に使われます。

宝尽くし(たからづくし)

打出の小槌や巻物、扇など多彩な宝物を集めた吉祥文様のひとつ。

基本的には通年使えて、フォーマルシーンはもちろん、着物や帯の雰囲気によっては普段着としても楽しめる柄です。

地紙(じがみ)

地紙とは、扇に貼る紙のこと。

中に草花や幾何学模様などが描かれることもあり、華やかなムードを演出できます。

熨斗(のし)

祝儀の進物や引き出物に添えられた熨斗を文様化したもの。

縁起の良い柄とされ、立束ね熨斗、丸に分銅熨斗、抱き熨斗 などさまざまな種類があります。

★その他の器物文様★
檜扇・扇面・色紙・御所車・手毬・源氏香・几帳・色紙 など

自然の文様

青海波(せいがいは)

無数に繰り返される海を表していることから“ 発展 ”を意味する吉祥文様。

古くは埴輪にも使われていたといわれる文様で、 雅楽の一つである「青海波」の装束に用いられたものが起源とされています。

雪輪(ゆきわ)

雪の結晶をモチーフにした円形の文様。

涼し気な印象を与えるので、夏の着物や帯にもよく使われます。

★その他自然の模様★
雲取り・霞・観世水 など

風景文様

茶屋辻(ちゃやつじ)

水辺に橋や家屋、草花などが描かれたもので、もともとは上級武家の女性が来た麻地の着物に由来する文様。

最近では訪問着や小紋など絹織物によく見られます。

★その他の風景文様★
御所解 など

正倉院文様

東大寺の正倉院に収納されていた染織品などにみられる文様のこと。

正倉院はシルクロードの終着点ともいわれているため、異国情緒あふれる独特の雰囲気が特長です。

宝相華(ほうそうげ)

正倉院文様を代表するモチーフのひとつで、 牡丹やシャクナゲ、芙蓉などを組み合わせた空想上の花を表したもの。

華やかな吉祥文様で、礼装の帯や着物によく見られます。

★その他の正倉院文様★
花喰鳥 など

有職文様

平安時代より公家の衣装や能装束などに用いられてきた、優雅で格式の高い文様のこと。

立湧(たてわく)

正倉院の唐草文様を起源とした波状の文様。

雲や菊・桐などをふくらみの中に詰めて描かれているものもあります。

★その他の有職文様★
八つ藤の丸 など

名物裂(めいぶつぎれ)文様

主に茶道の世界で珍重された文様で、茶道具や掛け軸の表装などに用いられました。

もともとは室町時代から安土桃山時代にかけて、中国やインド、中近東などから渡来した絹織物に見られた文様のひとつ。

荒磯(あらいそ)

波間に踊る鯉を織り出した文様。

中国から渡来したもので、明代の作とされています。

★その他の名物裂文様★
有栖川、蜀江、笹蔓 など

幾何学文様

麻の葉

正六角形の組み合わせで構成された柄で、麻の葉の形に似ていることに由来したもの。

麻の葉が真っ直ぐ丈夫にすくすくと育つ事から、魔よけの意味もこめられているのだそう。

襦袢の柄にもよく使われています。

七宝(しっぽう)

4つの楕円が円になるように組み合わさった連続文様。

四方に輪が広がっていくところから四方(しほう)となり、仏教由来言葉である七宝(しっぽう)と呼ばれるようになったのだそう。

柄が永遠と続くことから、無限の子孫繁栄を意味するものとされています。

鱗(うろこ)

魚や蛇の鱗に似ていることが由来の文様。

北条鱗、七つ繋ぎ鱗、三つ組み合わせ鱗などの種類があり、魔よけの柄としても知られています。

亀甲(きっこう)

六角形を組み合わせた柄で、亀の甲羅のように見えることからこの名がついたそうです。

亀は長寿のシンボルであるため、縁起のいい柄とされています。

市松(いちまつ)

石畳とも呼ばれる柄で、古くから日本に限らず世界中で使われてきた柄です。

“市松柄”という名前は、江戸時代の歌舞伎役者・佐野川市松が舞台でこの柄の衣装を使ったことが由来とされています。

★その他の幾何学文様★
紗綾形・籠目・檜垣・襷・格子・鮫・鹿の子・霰・通し・行儀・松皮菱 など

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今回ご紹介した文様は、ほんの一部。

着物や帯の柄の由来や意味を考えながらコーディネートするのも、また粋な楽しみのひとつです。

この機会に、ぜひ文様をより意識してみてはいかがでしょうか?